新人離職対策

入社1日目〜90日目、施工管理の新人に何が起きているのか——「辞めたい」が生まれる90日間の全記録

日本AI施工管理合同会社 公式ブログ


「新人がまた辞めた」と聞いたとき、あなたは何を思いますか。「根性がない」「最近の若者は」——そう片付ける前に、新人の側で何が起きているのかを知ってほしい。

この記事では、施工管理の新人が入社してからの90日間で直面する壁を、時系列で追いかけます。離職率データが示す「1年目で44.3%が辞める」という数字の裏側には、こんなリアルがあります。


【Day 1〜7】生存モード——「右も左も分からない」

入社初日。新人はヘルメット、安全帯、安全靴を渡されます。安全靴はつま先に鉄芯が入っていて重く、底が硬い。足裏への衝撃は想像以上です。この靴で一日中、不整地や足場の上を歩き回ることになります。

朝礼が始まります。ラジオ体操、KY活動(危険予知活動)、指差し呼称。周りの人たちが何を言っているのか、ほとんど理解できません。「GL」「FL」「墨出し」「根切り」——飛び交う言葉は、まるで外国語です。

最初の1週間は「生存モード」です。掃除、事務所の開錠、飲み物の準備。やることといえば雑用ばかり。職人の会話はほぼ理解不能。名前と顔が一致しない。誰に話しかけていいのか、どこに立っていればいいのかすら分からない。

ある新卒1年目のCくん(23歳)はこう振り返っています。「朝礼で自分の担当する工程の説明を間違えて、職人さんたちが違う作業を始めちゃった」。基礎知識がないまま説明を任された結果のミスです。

この段階では、まだ「辞めたい」とは思いません。ただ、圧倒的な無力感に包まれています。「自分だけが何も分かっていない」——この孤立感が、すでに静かに芽を出し始めています。


【Day 8〜30】適応期——「分からないことが分からない」の地獄

2週目に入ると、少しずつ任される仕事が出てきます。図面の基本記号(GL、FL、SL)を覚え始め、写真撮影や日報作成が任されるようになります。

ここで最初の大きな壁が立ちはだかります。工事写真の撮影です。

黒板の書き方、アングルの統一、撮影タイミング——ルールが複雑で、一つでも間違えると撮り直しです。電子小黒板を使っていない現場では、実際の黒板にチョークで情報を書き、写真を撮り、次の撮影ポイントに黒板を持って移動する。この作業を一人でこなすのは、慣れた人でも大変です。新人にとっては、黒板の情報の書き方すら分かりません。

そして、日報。17時半に現場作業が終わっても、そこから日報を書かなければなりません。しかし、書き方を体系的に教わった新人はほとんどいません。「先輩の日報を見て真似しろ」と言われても、なぜその項目を書くのか、どの粒度で書くのかが分からない。結果として、21時まで事務所に残って、何度も書き直すことになります。

もうひとつ、意外に新人を追い詰めるのが電話応対です。相手がどの業者の誰なのか分からない。専門用語、地方の方言、職人独特の言い回しが混ざり、まるで外国語のヒアリングテストです。電話が鳴るたびに心臓が跳ね上がる。一日の精神力を、電話応対だけで使い果たしてしまう新人もいます。

この時期の心理状態は「焦りと自信喪失」。先輩たちは颯爽と仕事をこなしているのに、自分は写真の撮り方すら分からない。「自分はこの仕事に向いていないんじゃないか」——こんな思いが頭をよぎり始めます。


【Day 31〜60】葛藤期(前半)——「成長している実感がない」

1ヶ月を過ぎると、安全ルールや基本マナーは一応身につきます。しかし、新たな壁が目の前に現れます。

工程管理や品質管理の基礎に触れ始め、測量や墨出しの補助を担当するようになります。「なぜそうするのか」という背景の理解を求められる段階です。しかし、まだ自分で職人に指示を出すことはできません。

この時期に最大化するのが、「自分は成長しているのか?」という焦りです。業界の通説では「一人前になるには5年かかる」とされ、1級土木施工管理技士の受験資格取得にも最短5年を要します。ゴールが途方もなく遠い。

さらに厄介なのが、「掃除しかしていない」感覚です。実際には基礎的な業務を通じて経験を積んでいるのですが、新人の主観では「雑用ばかりやらされている」「自分はこの現場に必要とされていない」と感じてしまいます。

この感覚を加速させるのが、先輩との比較です。「先輩がすごすぎて、自分がダメな人間に思える」——これは複数の体験談サイトで繰り返し語られる共通の声です。


【Day 61〜90】葛藤期(後半)——「サイレント・パニック」と離職願望のピーク

入社2〜3ヶ月目。ここが、統計的に見ても最も離職リスクが高い時期です。

この時期に起きる特有の現象が「サイレント・パニック」です。現場でトラブルや判断に迷う場面に遭遇したとき、新人は報告すること自体を恐れてしまいます。「これくらい自分で解決しなきゃ」「報告したら怒られるかも」。プライドや責任感が裏目に出るのです。

実際の事例として、こんなケースが報告されています。

  • 寸法確認を求められ、分からないのに「それでいいです」と答えてしまった → コンクリート打設後に補修工事が発生
  • 壁色変更の伝達を「伝えたつもり」で怠った → 塗装職人が全面塗り直しになった

5分で報告すれば小さな手戻りで済んだ問題が、半日の沈黙によって大きなトラブルに発展する。そして、トラブルが発覚すると当然叱責される。叱責された新人は、次はもっと報告しづらくなる。この悪循環が「サイレント・パニック」の本質です。

なぜ入社2〜3ヶ月目にこの現象が集中するのか。それは、「少しは分かるようになったはず」という自己期待と「まだ全然分からない」という現実のギャップが最大化する時期だからです。入社直後は「分からなくて当然」と開き直れますが、3ヶ月目になると「いつまでも聞いてばかりではいられない」というプレッシャーが内側から膨らんでいきます。

この時期の心理は複合的です。

  • 激務:朝7時出勤、21時退勤が日常
  • 長時間労働:残業しても追いつかない書類業務
  • 厳しい指導:「こんなことも分からないのか」
  • 職人との軋轢:世代差によるコミュニケーションの壁
  • 自信の喪失:成長している実感が得られない
  • 孤立感:年齢の近い先輩がいない(29歳以下はわずか12%)

これらが複合的に絡み合い、「自分はこの業界に向いていないのではないか」という結論に至ります。そして、退職届を書く。


「90日の崖」を乗り越えるために必要なこと

日本建設産業職員労働組合協議会のアンケートでは、25歳未満の48.5%が退職・転職を視野に入れていると回答しています。つまり、あなたの現場にいる若手の約半数が、いまこの瞬間も「辞めたい」と思っている可能性があるのです。

しかし、逆に言えば、この90日間を適切にサポートできれば、新人は定着するということでもあります。

必要なのは「根性論」ではありません。

Day 1〜7に必要なもの: 現場の基本ルールと用語を即座に確認できる辞書。「分からない」が恥ずかしくない環境。

Day 8〜30に必要なもの: 日報の書き方テンプレート、写真撮影の手順ガイド。何度でも確認できるツール。

Day 31〜60に必要なもの: 成長の可視化。「先月はこれが分からなかったけど、今月はここまでできるようになった」と実感できる仕組み。

Day 61〜90に必要なもの: 「5分考えて分からなかったら報告」というルールの明確化。報告を怖がらなくていい心理的安全性の確保。

これらを、忙しい先輩や上司の「善意」だけに頼って実現するのは不可能です。先輩も、自分の仕事で手一杯なのだから。


AIは「90日を生き延びるための装備」になる

私たち日本AI施工管理合同会社の「新人即戦力化AI」は、この90日間の各フェーズに合わせた支援を提供します。

生存期(Day 1〜7) には、用語チャットが「現場で飛び交う言葉」を即座に解説。何度聞いても怒られない相手がいるだけで、新人の精神的な負荷は大幅に軽減されます。

適応期(Day 8〜30) には、日報自動生成が「21時までの残業」を解消。箇条書きの入力で上司に提出できる品質の日報が完成します。

葛藤期(Day 31〜90) には、今日やることナビが「何をすればいいか分からない」不安を消し去る。経験年数と現場フェーズに合わせたチェックリストが、毎朝の道しるべになります。

新人が辞めるのは、90日の間に「助けてほしい」と思った瞬間に、助けが得られなかったからです。AIは、その瞬間に24時間応え続ける存在になります。


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本記事の情報は、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」、日本建設産業職員労働組合協議会調査、note・Yahoo知恵袋等の体験談、施工の神様掲示板の情報をもとに構成しています。

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