日本AI施工管理合同会社 公式ブログ
建設業の経営者にとって、人材採用はいま最大の経営課題のひとつです。求人を出しても応募が来ない。やっと採用できたと思ったら、1年も経たないうちに辞めてしまう。「最近の若者は根性がない」と嘆く前に、まずはデータを直視してみませんか。
この記事では、施工管理の新人離職がもたらす「本当のコスト」を、具体的な数字とともに解き明かします。
高卒43.2%、大卒30.7%——建設業の3年以内離職率
厚生労働省が2024年10月に公表した最新データ(2021年3月卒業者対象)によると、建設業における新卒3年以内の離職率は高卒で43.2%、大卒で30.7%です。
特に注目すべきは、離職のタイミングです。
| 学歴 | 3年以内離職率 | 1年目の離職が占める割合 |
|---|---|---|
| 高卒 | 43.2%(6,574人/15,222人) | 44.3%(2,913人) |
| 大卒 | 30.7%(6,911人/22,531人) | 36.8%(2,546人) |
高卒では、3年以内に辞めた人の約半数が1年目で去っています。つまり、入社して最初の12ヶ月——もっと言えば最初の3ヶ月が、定着するかどうかの分水嶺なのです。
日本建設産業職員労働組合協議会の「2022時短アンケート」のデータも衝撃的です。25歳未満の48.5%、25〜29歳の46.6%が退職・転職を視野に入れていると回答しています。いま現場にいる若手の半数近くが「辞めたい」と思っている——これが建設業の現実です。
1人辞めるたびに、会社は「数百万円」を失っている
施工管理技士を人材紹介会社経由で採用する場合、1人あたりの採用コストは約200万円と言われています。これに加えて、入社後の研修費用、安全教育の時間、先輩社員が指導に費やした工数、現場に慣れるまでの生産性ロスを考えると、1人の新人に投じる実質コストは300万円を超えると見積もるのが妥当です。
その新人が1年で辞めてしまったらどうなるか。
300万円が丸ごと消えるだけでなく、次の採用にまた200万円がかかります。さらに、その間の人手不足を補うために技術者派遣を使えば、1日あたりの単価は全職種平均で46,880円(前年比5.5%増、13年連続上昇中)。月20日で計算すると、派遣だけで月額約94万円の出費です。
仮に、従業員30人の会社で毎年2人の新卒が辞めるとすれば、年間で600万〜800万円の「見えないコスト」が流出していることになります。これは中小建設会社にとって、利益を直接削り取る深刻な経営リスクです。
「辞める理由」と「会社が思っている理由」は、ズレている
興味深いのは、企業側と労働者側で認識しているギャップです。
企業側が「若手が定着しない理由」として挙げるトップは「作業が身体的にきつい」(42.0%)と「若年技能労働者の職業意識が低い」(32.4%)。つまり、「体力がないから」「やる気がないから」辞めると思っています。
しかし、実際に離職した若手が挙げる理由はまったく異なります。
- 雇用の不安定さ
- 遠方の作業場が多い
- 休みが取りづらい
- 現場での人間関係の難しさ
- 年齢の近い先輩が少ない(29.9%)
最後の「年齢の近い先輩が少ない」は、特に見過ごせません。建設業の就業者構成は、55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下はわずか約12%。22歳で入社した新人の周りには、父親や祖父と同世代の職人ばかりで、気軽に相談できる同世代の先輩がいないのです。
これは「孤立感」と「聞けない文化」に直結する構造的な問題であり、「根性」や「やる気」では解決できません。
有効求人倍率9.38倍——「辞められたら補充できない」時代
建設躯体工事の有効求人倍率は、2024年平均で9.38倍です。1人の求職者を9社以上が奪い合っている計算です。
さらに深刻なのは、新卒入職者の減少です。2024年には建設業への新卒入職が3.8万人と、11年ぶりに4万人を割り込みました。入職率8.1%に対して離職率が上回る「超過率-2.4%」の状態が常態化しており、業界全体で人材が純減し続けています。
つまり、今の時代は「辞めた人の代わりを採用する」こと自体が極めて困難なのです。新人を辞めさせないことが、最もコストパフォーマンスの高い人材戦略だという認識が必要です。
「最初の90日」に投資するか、「次の200万円」を払い続けるか
ここまでのデータが示しているのは、明確な事実です。
- 新人の離職は1年目——とりわけ最初の3ヶ月に集中する
- 1人辞めるたびに数百万円の損失が発生する
- 辞める理由は「体力」や「やる気」ではなく、「聞けない」「分からない」「孤立する」という環境要因
- 辞められても代わりの人材が見つからない売り手市場
だからこそ、「最初の90日」にどれだけ手厚い教育とサポートの仕組みを用意できるかが、会社の未来を左右します。
しかし、中小建設会社の現実として、教育に割けるリソースは限られています。2024年4月からの残業上限規制で、先輩社員が新人教育に使える時間はさらに圧縮されました。OJTに課題を抱えている企業は93%という調査結果もあるほどです。
「教える人がいない」「教える時間がない」——この構造的な課題を、人の努力だけで解決するのはもう限界です。
AIを「いつでも聞ける先輩」にする、という発想
私たち日本AI施工管理合同会社は、この構造的課題に対して「新人即戦力化AI」というプロダクトで向き合っています。
AIが「24時間質問に答えてくれる先輩」の役割を担うことで、新人の「聞けない→分からない→辞めたい」という負のループを断ち切る。日報作成の負担を大幅に軽減し、毎日の業務チェックリストで「何をすればいいか分からない」という不安を解消する。
教育担当を増やすのではなく、教育が回る仕組みを先に入れる。
次の200万円を「採用」に使い続けるか、それとも「定着」の仕組みに投資するか。答えは、データが示しています。
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本記事で使用したデータの出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(令和6年10月公表)、日本建設産業職員労働組合協議会「2022時短アンケート」、国土交通省「建設業活動実態調査」ほか
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